以前、萩の長屋門で行われた長谷良樹さんの写真展が、今度は神戸で行われるようです。
富士フォトサロン新人賞2007推奨賞 受賞記念
長谷良樹 写真展
“ what is your ハピネス ”11月26日(月) ? 12月6日(木)
モダナーク・ファームカフェ
神戸にお住まいの方、期間中に神戸に行く機会のある方、是非お立ち寄りください。
写真を撮った人たちは、全員がHIV/AIDSの感染者であると同時に、さらにもう一つ別の問題(身体麻痺、視覚・聴覚障害、うつ病、ドラッグ依存、ホームレスなど)を抱えています。彼らの多くが生きてきた環境は、アメリカ社会の中でも病気やその他社会的問題に出会う確立が高い環境です。ただそのことは同時に、彼らが苦しい境遇や差別と過去も今も闘いながら生きている人たちだということを表しています。2004年の終わりから2007年にかけて、NYにあるハウジングワークスと呼ばれる場所で彼らに出会いました。そもそも彼らの写真を撮るという今回の出来事は、自分のなかでかすかに抱き続ける「何が本当にしあわせか?」という根源的な問いへの答えを探す旅の途中で起きた事件であった気がします。 HIV/AIDSに加えて障害やあらゆる問題を持って生きる彼らは「幸福」というものをどう考えているのか。一緒に過ごす時間の中で、彼らの持つ「幸福」はちょっとやそっとのことでは壊れることのないものなのかも知れないと、僕は感じるようになりました。
まず最初に驚いたのは、彼らの底抜けの明るさでした。彼らの圧倒的でポジティブなエネルギーを写し撮りたいと考えながら撮影にのぞんだのですが、それは僕の期待ををよそに、彼らの方からとめどなくあふれ出てくるものでした。毎回撮影のたびに自分への想い、理想像を全身でカメラに刻み込もうとしてくる姿に、僕は大きな喜びとともに写真を撮り続けました。彼らのエネルギーや言葉に触れる中で、とにかく僕のしていることは、その徹底的にポジティブな彼ら自身をただ写し撮っていく作業なのだと感じました。
あらゆる困難と病気を抱えながらも向上心とプライドを失わない人たち。幸福の絶対的な肯定。彼らからもらったギフトはとても大きなものでした。彼らに会えた僕は「しあわせ」であり、この写真を見た方にも僕が体験したエネルギーと喜びを感じていただければと思います。
友人のロナルドが言いました。「I am the happiest man in the world.」