原価率

何時もそうなのですが、商品の値段を決めるときは、何時も熱い議論が巻き起こります。

大抵は、販売側と製造側の戦いになります。双方の言い分はいつも同じで、製造側の「高すぎると売れない」と、製造側の「いい材料と手間をかけて作るから値段はどうしても高くなる」というものです。

抹茶のババロアのときもそうでした。

このお菓子には、一缶(300g)で7500円もする抹茶をふんだんに使っていますので、どうしても高いものになる、と製造側は主張しました。その結果今回抹茶のババロアの価格は一つ250円に落ち着いたのですが、正直なところ、これでは赤字なんです。

「え?この大きさで250円?」

とおっしゃる方もおられますが、きちっと利益を出そうと思えば、値段が500円以上にはなるでしょう。しかし、500円も出してまで、このババロアを食べようという人が、果たして何人いるでしょうか。

ただ、もっと沢山の人が食べるようになり、いっぺんに沢山の量を作るようになれば、多少なりとも、原価は下がってきます。そうして原価率を下げ、利益をきちんと出すようにしないと、結局は生産中止にせざるを得ない状況になります。せっかく作ったお菓子ですので、それだけは避けたいですね。

とりあえず、あとすこしで「抹茶のババロア」「きな粉のババロア」の季節も終わります。来年も皆さんに食べていただけるよう、知恵を絞らないといけないなぁ、と思っているところです。

2002年8月27日(火)
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