「 正念場ってどういう意味だと思いますか? 」
昨日、そう唐突に聞かれました。
聞いてきた方は、自分が体調管理のために通っている治療院の先生です。月二回ほど行ってますが、治療をしてもらいつつ、自分の馬鹿話に嫌な顔をせず付き合ってくれるので、ストレス発散の場としても、活用させていただいております。
ま、エライ迷惑なやつだと言う意見は、とりあえず置いといて、12月頃の話です。
なんとなく、無気力になり、なんかこう、やる気も出ず、モヤモヤとしたものを抱えながら、毎日を過ごしていました。そのモヤモヤを運動で発散して生活をしていたのですが、なんかこう、気持ちが前に向かない日々が続いていました。
そんな12月のある日、予約を入れていたので治療院へと向かいました。そしていつものように、治療をしてもらいながらグダグダとしゃべっていたら、その先生にこう指摘されたんです。
「そりゃ今、八方塞なんですよ」
こういわれた瞬間、ハッとしましたね。その一言で、自分が置かれていた状況がまさにその状態だと気づかされました。
やるべき事を今やっておかねば、という気力だけで、休みなしで働いて、あらかたやるべき事が終わりつつあったけれども、色々な状況が重なり、なかなか物事がうまく前に進まない。去年の12月は、まさにそんな八方塞の状態でした。
「 今が正念場なんですよ 」
今までしゃべっていたことは全てただ単なる愚痴だよと、ピシャッと言われた様な気がしました。なのでそれ以来、そう言うことを口にするのは止めました。
そうご指摘くださった先生が、昨日聞いてきたんです。正念場ってどういう意味だと思いますか、と。
少し考えてから、念を正す場なんですかね、と答えました。
「 じゃ、念ってなんだと思います? 」
・・・?
「 念って今の心と書くじゃないですか 」
そう言われて、なるほどと思いました。
正念場とは、「 心を正す必要のある場面 」という意味で使われますが、その先生は「 ある場面 」だけではなくて、「 今 」心を正す必要がある、と言うわけです。
「 今 」というのはすぐに「 過去 」になります。「 今 」心を正しただけでは、数秒後には過去に心を正しただけになります。と言うことは、極端な話、毎秒毎秒心を正し続けろ、と言うんですね。
大変なことだけれども、ずっと心を正して生きていかなくてはならない、とおっしゃるわけです。
いつもは私の馬鹿話に付き合って馬鹿なことを言っていますが、さすが良い事を言うなぁ、と。精神的にヘタっている自分に暗に頑張んなさいよ、と言ってくれているんだろうなぁと。
しばし口を開かずに、言われたことを考えていました。
そして、背中に刺さる針を肉で感じながら、その先生の色々な事象に対する探究心や考え方に感心し、そして私への気遣いに感謝しながら、治療用のベッドにうつぶせになっていると、少しの沈黙を破ってその先生がこういったのです。
「どうです?僕って考察がふかいでしょー。ウフフウフフ」
・・・
この先生、これさえなければ完璧なんすけどね。
まあ、これからも治療の方、宜しくお願いします。
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