今年の豆の出来具合

以前に、今年の豆はそれほど値段が高くなっていないので、そんなに出来が悪くなかったのだろう、と書いたことがありました。実はあれから値段がどんどん上がり、昨年に比べ値段が倍近くになったものもあります。

恐らく冷夏の影響なのだと思うのですが、やはり北海道での豆の出来が良くなかったらしく、北海道小豆の値段は昨年の約倍です。

特に十勝の小豆の出来が悪く、それが北海道すべての小豆の値段に響いているようですね。十勝はブランド名もあり、さらには収穫量も多く、この土地の小豆への影響力は大きいんだなぁ、と改めて思いました。

当店では、十勝産の小豆は使わず、旭川産の小豆をいつも使っています。この旭川、今年は冷夏の影響で出来は良くないようなのですが、十勝ほどではありません。ただ、十勝産の小豆の影響で北海度小豆全体の相場が上がり、旭川産の小豆でも値段が去年よりも倍になっています。

北海道小豆のほかにも、豆の大福に使う丹波産の黒豆も去年の倍以上の値段になりました。白豆は、悪くはないようですが、それでも大福豆、白丸、福白豆ともに数千円高くなっています。

小豆の中で一番味が良いと言われる大納言小豆、これはまだ新豆が出てきていないので何とも言えないのですが全体的に不作の年のようですので、余り期待は出来ませんね。

豆の値段は相場によって何時でも変動しますが、それに連動してお菓子の値段まで上げ下げするわけにはいきません。そこがお菓子屋の辛いところなのですが、まあ数年前の凶作の年ほどひどくはないので、まあ何とかなりそうです。

数年前、皆さんも米がなくてタイ米を食べた年があったのを憶えていると思いますが、それと同じ年に小豆も凶作で、値段が非常に高くなったのを良く覚えています。

当時は今と比べてまだ世の中の景気も良く、物がまだ動いていた時期だったからだと思うのですが、豆の値段が普段の6倍近くになったのを良く憶えています。普通だったら1万数千円のものが6万円にまで、上がったんです。

あの年は本当に大変でした。そのときから比べれば、まあまだ何とかなるのですが、ただ、やはりそれでも値段は倍します。値段が段々高くなる国産品を見限って中国の天津産に小豆を変えるところが最近は増えてきたと問屋さんも言っていました。

当店は、やはり美味しいもの安全なものにこだわって行きたいと思っていますので、今年も北海道の小豆を使って源氏巻を作ります。天津産に切り替えたらどんなに楽になるかと思うのですが、やはりその結果が味に出てきますからね。厳しいけれども、来年は豊作になるよう祈りながら、頑張ろうと思います。

こいの里あっさり材料・職人・和菓子全般
2003年12月1日(月)

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