またまた、前回のエントリーからの続きです
元々日本には興味が合ったようで、デザイナーのヘレナさんは今回の来日をかなり楽しみにしていたようです。そう言う部分もあり、今回のユニフォームの件を受けてくださったということもあるようでした。
彼女が津和野にいる間、まず心がけたのは、店の雰囲気を掴んでもらうこと、日本の空気を感じてもらうことでした。なので、観光らしいことは余りせず、店を見て回り、その後は、今の自分達の日常を一緒に体験してもらうというような感じになりました。
一緒に行動する中で、自分が彼女に伝えたことは、伝統を大切にしたいと言うことです。
昔からの継続、連続性、伝統との繋がり
ただし、伝統は大切にしたいけれども、現代の生活様式も踏まえた上でのことです。着物も日本の一部ですが、洋服になれた我々の生活もまた、日本の一部だと思うのです。そのバランスをどうとるのか。
元々出身の国であるスウェーデンのアンティーク・レースを集め、自身の服のデザインに取り込んでいる方ですので、こちらが余り語らなくても、言いたいことをよく理解してくれているようでした。
もう一つ、自分がお願いしたことは作業性の良さです。
ユニフォームというものの性格上、作業性が第一のポイントになります。重いものを持つ、高いところにあるものを取る、配達で車に乗る、自転車に乗る。そういうことの妨げにならないような服装でなくてはなりません。
これらのことを踏まえて考えると、恐らくユニフォームの形は洋服になるのだろうと言う予測がたちます。
と言うことは、洋服に如何に和のエッセンスを取り込むのか、と言うことが今回のプロジェクトのポイントになるかなと思いました。
まあ、言葉の壁もあります。自分の考えがきちんと伝えられたか自信はありません。正直、今振り返ってみると余りユニフォームの話は余りしていないような気がしますねぇ・・・大丈夫なんでしょうか?
ただ、本当に不思議なことなんですが、これ以上説明しなくても大丈夫だな、と何故かその時感じていたんですね。というのも、感覚が似ていると言うか、スウェーデンのアンティークレースをデザインに取り込んでいる件もありますし、彼女の口から出る言葉の中に、自分の言いたい事を発見したのは一度や二度ではありませんでしたから。
着物を着てもらい、実際に和装に触れてもらったこと。奇妙と思われる日本の振る舞いも、日本古来の生活の中では、それが一番美しく見えるのではないか、というような話をしたこと。着物の帯のデザインをしている方にお会いして、日本が如何に昔から外国のものを取り込んできたのかと言う話を聞いたり、帯のデザインにもやって良いこと悪いことがある、と言うような話を聞いたり。
4日と言う時間は余りにも短い時間でしたが、なかなか濃い時間を過ごせたのではないかな、と思います。それらの体験から伝統と現代をきっと感じて頂けたことだと思います
このユニフォーム、どんなものになるのか、自分にはまだ全く分からないのですが、出来上がるのが、非常に楽しみです。ただ、ユニフォームはユニフォーム、それが主役ではなくあくまでも店の一部であり、お店の主役は和菓子です。あまり、派手なものになることはないと思いますし、実際シンプルでベーシックなものにしてください、とお願いしてあります。
シンプルでベーシックなほうが、お店にも合うような気がしますし、末永く後々まで残っていくと思うからです。周りに溶け込んでいて違和感がなく、だけれども良く見れば素敵だなぁ、と思っていただけるようなユニフォームが出来上がれば一番良いですね。そして、形を少し変える事もあるかもしれませんが、後々まで残っていけるようなものだと最高だと思います。
出来上がりは早くても一年後くらいでしょう。これからまだまだやることは山積みです。この件に関しては、続報が入り次第、またこのブログでお知らせしますね。お楽しみに。