最近、こんなことを聞きました。
どうも洋菓子を製造する会社のいくつかが、和菓子業界進出を狙っているらしいと言うのです。洋菓子を作っている和菓子屋はすでにいくつかあるのですが洋菓子の会社で和菓子業界に興味を持っているところがあるというのが、自分には結構驚きでした。
洋菓子屋が和菓子屋に興味を持つ理由は、まず利益率がいいことが挙げられるそうです。羊羹などは、一度に作って機械で筒に流し込んで包装すれば、日持ちはするし、人件費かからないしで、洋菓子屋にとってはその作業性の良さ、ロスの少なさが魅力的に映るそうですね。
そしてなによりも、今この不況で和菓子業界が淘汰されて和菓子屋自体がどんどん少なくなっているので、以前に比べてこの業界に参入しやすくなっていると言うことでした。
確かに、最近は少しずつですが和菓子を好む人も増えてきたという話も聞きます。この不況のおかげで、いいかげんな物を造るところは潰れていますし、最近の人々は健康志向ですので、比較的体にいい和菓子を食べる人や、材料にこだわって作っているところの和菓子を子供に与える人達はよく見られますね。
材料にこだわって作っているところのお菓子は、丁寧に作ってあるのでそれを食べて育つ子供達が和菓子を好きになるという好循環が最近は生まれつつあるような気がします。
ただ、それでも以前に比べれば、和菓子を好んで買う人は少なくなりましたので、どうしてそれほど魅力的に映るのか不思議に思います。自分ども和菓子製造業者からみれば、最近の消費者は洋菓子にしか目が向いてないような気がしますからね。和菓子屋の中でも洋菓子を販売するところがあるのは、そういうことの表れだと思います。
まあ、どっちにしろ、今の和菓子で売れているのは羊羹などの商品ではなく、どちらかと言うと手間のかかる生菓子です。しかも、最近の消費者は味にうるさいので機械で作ったものではなくて手作りのものを好む傾向にあります。そういうことを考えても、情況はケーキ屋とあまり変わらない事になります。
そういう訳で、「隣の芝は・・・」という題になったのですが、実は自分も洋菓子の会社と同じく、今の和菓子の置かれている情況は、実はチャンスではないか、と思っています。と言うことは、今後の競争相手は洋菓子の会社と言うことになるかもしれませんね。