●匿名の読者の方
旬の菓、いつもたのしく読ませて頂いております。 ちょっと疑問に思ったことがありましたので、 ご質問させてください。今回、水ようかんの紹介がありましたが餡子、砂糖のこだわりのお話がありましたが寒天は何を使って作られていますか? 寒天も色々と種類があってそれによっても 味が違うと聞きました。 お忙しい時にすいません。よろしくおねがいします。
●三松堂よりの返答です
返事が遅れて大変申し訳ございません。 さて、寒天の種類ですが、 糸寒天、角寒天、粉寒天、とあるのですが、 味はどれも違いはありません。というよりも、寒天には食感や腰の強さの違いはありますが、味と言うことでは違いがありません。寒天はあくまでも固めるためのものですね。ただ、寒天によって食感は変わり、食感が変わると味が全く変わってきますので、そういう意味では、味に違いがでることになります。
表現が難しいですが、寒天だけを味わったときに味に違いはそれほどありません。ただ、製品にした時には、食感の違いがでてくるだけに、味と言うか製品そのものの力に違いがでてきます。
さて、上記3種類の違いですが、 糸が一番腰が強いですね。腰が強いというのは、 寒天の固まる強度が強いということを指します。 さらさらの液体状のものを凝固させるときには、 強度の弱い角、粉寒天でも良いらしいのですが、 羊羹などのドロドロの液体状のものは、 強度が強い、糸寒天でないとうまく固りません。
当店の鯉の里や練羊羹、その他餡に混ぜる寒天は、糸寒天しか使いません。と言いますのも、餡のような状態のものは腰の強い寒天、しかも強度の強い糸寒天しか使えないからです。糸寒天は、現在岐阜の山岡町でのみ、作られている最高級の寒天です。
詳しくは下記のHPまで:
□おいしい有限会社(丸サ寒天製造所)
http://www.hosokanten.com/
この他、ゼリー化剤には、 カラギナン、ゼラチン、ペクチン、などがあるようです。 ゼラチンはご存知のとおり、ババロアなど乳製品を固めるのに使い、 ペクチンは、グミ等を作るときに使うようです。
カラギナンは、当店でもみあん梅に使っていますが、 これは紅草という海草から取れるゼリー化剤です。寒天との違いは寒天が食べると、歯型がつくぐらい硬くなりますが、 カラギナンはプルプル、ふるふる、とした食感になります。 ゼリーを作るのに使われているのは、 これが一番多いのではないか、といっていました。
以上で質問に答えましたでしょうか? これからも、質問など何時でも気楽にメールください。