3月になって、『 ふくしろ 』という和菓子を発売しました。これ、どら焼きなんですけれども、間に挟んでいる餡は、福白金時という豆を使っています
だから、名前が『 ふくしろ 』なんです
この豆は、当店とは切っても切れない縁があります。大げさですが、何か言葉には出来ないモノがあるんです
『 ふくしろ 』は、もう20年くらい前から作っている和菓子で、人気も結構ありました。全て手作りのため、昔から数はたくさん作れなかったのですが、それでも、ファンの方は多かったですね
その『 ふくしろ 』、一時期店頭から姿を消しました。
福白金時は、インゲン豆の一種で、綺麗な白色をしているのですが、栽培がナカナカ難しいらしく、生産量が減った時期があったんです。作る量が減って、こちらの問屋が豆を入手できなくなり、当店にも入ってこなくなりました。なので、『 ふくしろ 』もつくれなくなりました。
そんなこんなで数年が経ち、当店もホームページを作りました。そして、こんなエントリを書きました
十年位前まで、当店ではどら焼きを作っていました。名前も「ふくしろ」と言いました。由来は、その餡に使う豆の名前です。「福白金時」という白豆を使って作った餡を、どら焼きの生地で挟んだものだったんです。
「福白金時」は非常にあくの強い豆でしたが、味の方はなかなかのものでした。その豆を使って作る「ふくしろ」も、美味しいと人気のあるお菓子だったんですが、当店では「ふくしろ」の生産を止めました。というのも、「福白金時」という豆自体が手に入りづらくなったからなんです。
何日か何週間か、何ヶ月かは忘れましたが、しばらくして一通のメールが入りました。
それは、北海道の農産関連の仕事をしている方からのメールでした。その方によれば福白金時の生産量が増えてきている、と言う内容で、さらには、福白金時を扱う問屋さんまで紹介てくださる、と言う内容でした。
もう、手に入らないだろうと思っていただけに、本当にびっくりしたのですが、これも、インターネットというツールがあり、当店がホームページを持ち、福白が手に入らなくなって本当に残念だ、というエントリを書いたからこそ、起こったことでした
まあ、偶然と言えば偶然ですが、この偶然が縁でお付き合いを始めた北海道の問屋さんとは、今でもお付き合いをさせて頂いております。
その問屋さんには、福白だけでなく他の北海道産の豆を手配して頂いており、特に小豆などは、その品種や収穫地だけでなく、収穫された農協の指定までしてもらっています。そのお陰で、当店の和菓子は品質の維持が出来ているのです
こう言うことがあったため、、『 ふくしろ 』という和菓子と福白金時には、何かこう、当店との縁を感じてしまうのです。当店の転機となるときには、何故かこの豆が顔を出すのです。
当店は今、実はもう一つの転機を迎えつつあります。そこにも、この福白金時が大きな役目を果たしてくれています。この話はまた、別の機会に、別の場所ですることになるのかもしれませんが、そうなったら、またお知らせしますね。
とにかく今は、、『 ふくしろ 』です。発売になりました。美味しいどら焼きですので、機会があれば是非試してみてください
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