お茶の味が変わった話

最近、お茶の味が変わったなぁ、と思うのです。

葉は以前から使っている津和野の秀翠園様のお煎茶で、それを変えたわけではありません。変わったところといえば、急須ですね。

以前使っていたものの蓋が割れてしまったため、今新しいものを使っているのですが、どうも、以前の急須で出したお茶と同じ味がしないんですよね。

最初の頃は、まずくなったなぁ、と思っていたのですが、最近はその味に慣れたのか、余り気にならなくなりました。

数年前に玉露や煎茶に凝っていた時期があり、どうすれば美味しいお茶が入れられるのか、少し独学で研究してみたことがあります。そこで学んだのは、水の温度や硬度、急須の形や入れる時間などでお茶の味が大きく変わる、と言うことでした。

一番重要だったのがお水の産地でしたね。

京都のお茶はやはり、京都のお水で飲むのが一番美味しい。おそらく、そのお水でお茶のテイスティングをするので、そのお水で飲むのに一番適したお茶になっているのだと思うのですが、その水で育ったお茶の木であれば、葉の味に何らかの影響もあるのかもしれませんね。

京都で飲んだ美味しいお茶の味を再現するために、同じ葉を買ってきて、色々な場所の水でいれて飲み比べました。このあたりのお水でいれると、旨み成分が出すぎて、美味しく感じることが出来ませんでした。やはり京都のお水でいれたものが、一番京都で飲んだものに味が近かったですね。とても美味しく頂くことが出来ました。

話がそれましたが、お茶はそれほど繊細なものなので、恐らく急須が変わったので、味の出方も変わったのかなぁと思っています。

前の急須は陶器製でしたが、今のものは磁器製です。磁器と陶器では、おそらく熱の伝わり方などにも違いがあるでしょうし、大きさが違うと葉の開き方などにも影響が出てくるのでしょうね。

よく、ラーメン屋などが改装をした後に、「味が変わった」といわれることがありますが、これなども同じ原理かもしれませんね。コンロや釜などの店内が変わってしまうので、同じ分量、同じ時間で同じ事をして同じものを作っても、味が変わってしまうのだと思います。

当店でも、これから先、餡を練る釜を取り替えたり、工場に手を加えたりすることがあるかもしれませんが、その時に、「不味くなった!」といわれないように気をつけなくてはなりませんね。

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2008年3月4日(火)
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