練羊羹

当店で一番人気のあるお菓子は鯉の里ですが、実は練羊羹はその鯉の里と製法・原材料がほとんど同じと言うのをご存知でしたでしょうか。

これらのお菓子は同じ小豆、砂糖、水飴、寒天で作られます。 小豆は備中産の赤小豆を使います。岡山で採れるこの小豆は、色が他の小豆と比べ赤いことが特徴ですね。鯉の里や当店の練羊羹のちょっと赤っぽい色は、この小豆が赤いからなんです。もちろん味も風味もいい豆です。

砂糖にはザラメを使います。その理由は、精製度数の高い砂糖の方が甘味があっさりするんです。精製の度数が高くなるほど砂糖の純度が高まり、混ざり物がないだけに、すっきりとした甘みが出てくるようなのです。当店の練羊羹の甘味が後口に残らない理由の一つは、このザラメにあります。

もう一つ当店の羊羹を作るのに欠かせないものに寒天があります。この国内でも最高級の寒天、細寒天と呼ばれる寒天は岐阜県山岡町で生産されています。

寒天は元々、「寒ざらしのところてん」を縮めたものが語源と言われており、極端な話、ところてんの水分を取り除いたものが寒天なのだそうです。

ところてんの濃いものを作り、冬の夜、寒さを利用し水分を凍らせ、日中の日の光で溶かし、水分を落とす。これを数日繰り返し、完全に水分を蒸発させ、寒天は出来上がります。

当店の練羊羹は鯉の里と同じ製法、秘伝を使うため普通の寒天では強度が足りず、ここ山岡町で作られる最高級の寒天でしか作ることが出来ないんですね。

こうして厳選された材料を使って作る三松堂の練羊羹の最大の特徴は、なんと言ってもその甘味ではないでしょうか。甘いけれども、後口に残らず、すっと喉に消えていきます。糖度もできるだけ抑え、現代の皆様に楽しんでいただける味に仕上げています。あっさりとした羊羹をぜひ一度お試しください。

2003年1月28日(火)
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